『おおかみこどもの雨と雪』のかんそーぶん的な何か

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もうこれ見たのが11月8日のことで若干記憶が危ういのですが、観直す金もないのでそのまんま思ったことを書きます。

まずこの映画のテーマ、「おかあさん」だそうですが嘘っぱちです(断言)。
傾向を見るに細田守という監督は映像の人で、「おかあさん」だのなんだのはいい映像を作るための金を引っ張ってくる口実でしかありません。
ロボットアニメが結局はロボットかっこいいぞ敵をやっつけろにならざるをえないように、道徳的家族映画という需要を満たすことでスポンサーから資金を調達しているに過ぎません。
「絵が美しいのにシナリオが残念」って声をよく聞くけど、金を引っ張れるシナリオだからこそ綺麗な絵にできたわけでそこは切り離せません。
そもそもこの映画、アニメーションの新手法試すための実験作だし。

というわけで、とくに「キレイダナー」とか「ゲロもキレイダナー」とかいう感想しかないわけですが、
今回はあえてご都合主義的なキャラクターである「花」にはあまり目を向けず、
「おおかみおとこ」である「彼」、そしてタイトルである「雨」と「雪」に狙いを定めていきたいと思います。


・「おおかみおとこ」は亜神的存在?
「おおかみおとこ」は、単なるモンスターや混血種ではないでしょう。
単なるオオカミとおおかみおとこがまったく異なる存在であることは、ペットだったオオカミとの面会シーンで強調されています。
ぼくは「おおかみおとこ」は、神に近い存在なのではないか?と思っています。
なにしろ「おおかみ」なのですから。

・「彼」は何をしていた?
狼は群れをなす動物です。「一匹狼」はそれが異常な状態だからこそ言葉になっているのです。
そう考えると、花と出会った「おおかみおとこ」は、なぜ連絡もとらずひとりで暮らしていたのでしょうか。
生き残りがごく少数なのか、あるいは「おおかみおとこ」の社会から弾かれる理由があったのか…。
もしかすると、事故死のようでおおかみ社会の禁忌を破った罰として殺されたのかもしれません。

・自然との境界としての田舎
そして夫を失った花とその子供たちは何かに導かれるように、田舎の半ば廃屋と化した古屋敷へ引っ越して行きます。
花はそこを見つけるのにとくに苦労したような描写はされていません。というかいきなりそこへ辿りついています。
ここになんらかの「おおかみおとこ」側の世界の意思の介入があった可能性は否定できません。
そして「お父さんが悲しむから、動物にえらそうにしてはいけない」。

自然界、そして「せんせい」が、花たち家族を招き寄せた…と考えるとちょっと恐ろしい感じもします。

・雨は死に、生まれ変わる
雨は雪遊びの途中に川で狩りをしますが、巻いていたスカーフに足をすべらせ川へ転落します。
明確に水中で息を吐きだしたような描写がされたにもかかわらず、雨は救命処置もなく何事もなかったかのように目を開けます。
これはもう、雨が名前のとおり水の神として転生したと考えるほかありません。
この時点で彼はすでに、「おおかみ」…もとい「大神」としての全能感を露わにしています。

雨は山の世界のリーダーを継ぐため、「せんせい」にその手ほどきを受けます。
そして先代の神である「せんせい」が死んだそのとき、大雨が発生します。

ここから物語を逆に追っていくと、父親であるおおかみおとこの「彼」は、実は「せんせい」によって殺されたのではないか?という疑惑さえ生じてきます。
すべては後継者である雨を守り育てるために。死因は雨の日の水死。ありえない話ではありません。

・「雨」と「雪」
「雨」は水、つまり液体です。常に定まらずひとつの形をとりません。
あらゆる生物が生きていくに欠かせない、生命の源と言えます。
反面、ひとたび氾濫すれば、すべてを洗い流す危うさを持っています。

「雪」は氷、つまり固体です。結晶という秩序だった形が集まってできています。
白く美しいですが、温度を奪い広く生物を死に至らしめます。
しかし、いずれは融けて水となり、それは清浄な飲み水となります。

「おおかみこども」であることを受け入れて自然のまま生きようとする雨。
「おおかみこども」であるがゆえに人間としての法や秩序にこだわる雪。
そのどちらが勝ってもいけない…と太上老君が言っていたような気がします。
しかし実際には、雨が勝ってしまいます。

・結局この映画ってなんなの?
この映画は相対する2つの方向に姉弟が分かれたところで終了します。
対置による美しさの演出がこの映画の持ち味であり目的でしょう。
しかしこの結末だと、山vs.人間の戦争が巻き起こり、花が「もうやめて!」と間に入って死んでいく結末しか思い浮かばないんですが…。
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